20日の座りこみ 「つながっている」

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 東京、ポレポレ東中野での「標的の村」の上映、この20日の座りこみの時点で連日満員御礼と聞き、とても嬉しい。沖縄では、オスプレイ配備に全市町村議会で反対決議がなされ、知事も「配備強行なら全基地即時閉鎖」と言及し、市民は普天間基地ゲートを封鎖し、今も毎日のように抗議を続けている。このようななか、オスプレイが離着陸するヘリパッドが沖縄県東村高江の集落を囲むようにつくられているおかしさ、そこに住む住民のくらし、ヘリパッドはいらないという住民の意思がふみにじられていること、そしてそれはわたしたちとつながっている問題なのだということ、が記録されている。ぜひ映画館にあしをはこんで、自分の目で確認してほしい。そして、高江って素敵なところなんだということが、多くのひとに知られる機会になってほしい。

 さて、20日の「no!helipad座りこみ」のトークリレーでは、神奈川で反戦・反基地の運動をしている「バスストップから、基地ストップ」」の会の、すずかさんと座りこみをし、お話をうかがった。「バスストップから、基地ストップ」」の会は、座間市相模原市に隣接する米軍基地「キャンプ座間」に、米陸軍第1軍団司令部が移設されることに反対して、毎週水曜の座り込みと月1回キャンプ座間へのデモと申し入れをしているということ。デモはもう、89回目!
そのキャンプ座間、陸上自衛隊の中央即応集団司令部が移設してきていて、米軍と自衛隊の共同使用の基地となっているとのこと。
 以下は、すずかさんから話をきいて、思ったことだけれど、
こうした自衛隊と米軍の基地の共同使用・一体化は「地ならし」であって、米陸軍司令部が移設された時に指摘されていることではあるけれど、日本政府がしたいことは単なる基地の提供でもなければ、共同運用でもなく、米軍と一緒に軍事演習をし実戦として派兵するという、軍事拡大だろう。
 この日、20日の新聞記事にはこんな記事が。
「自衛隊、オスプレイ導入へ…離島防衛に新隊検討」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130820-OYT1T00557.htm
「南海トラフ防災訓練にオスプレイ 自衛隊・米軍10月計画」>
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-211318-storytopic-3.html
  ここに見えるのは、対米従属とした日本が、米軍によるオスプレイ配備と訓練にとやかく言えないという状態ではない。むしろ、自衛隊が米軍と結託して、オスプレイの配備、軍拡に乗り出しているし、災害時に備えることを名目にしての自衛隊の軍事増強に他ならないし、それを日本社会全体が追認しているということではないか。自衛隊は災害に備えたレスキュー隊ではない。米軍はTOMODACHIではなく、戦争の訓練をし、戦地に赴く兵士だ。本当に災害に備えるべく2年前の災害を思い起こすならば、必要なのは本格的なレスキュー隊導入だろう。
 もはや、9条は、心のなかでの平和の象徴になりはてて来ているのではないかと言いたくなってくる。既に、ソマリアには自衛隊の海外基地が置かれ、ジブチとの間には、日米地位協定での在日米軍がもつ特権を上回る、地位協定が「交換公文」として行政取り決めで締結されてしまった。
最近はこんなことも。
「アラスカで米軍主管による大規模な多国籍空軍訓練への参加」
http://www.mod.go.jp/asdf/news/houdou/H25/0724.html
http://flyteam.jp/news/article/25069
  こういった海外派兵や軍事演習、そして今回の自衛隊のオスプレイ導入と日米軍事訓練は、海外の紛争下における人道的支援への要請にこたえるためだというのだろうが、9条のもとに、武力行使(後方支援)をするのではなく別な形での支援をみせる、国際社会に信頼されうる関係性を築き、交渉を担えるような役割ができるよう目指す、難民を受け入れるなど、人道的支援には武力行使以外のかたちがある。 今もまだ日本はアメリカの植民地支配にあると言うひとがいるが、日本は、日米安全保障で米軍を盾にし、その後ろからいかに集団的自衛権を行使できるか、軍事行動をできるか狙っている、戦争をする意思をもって政治をすすめている国家だ。その日本政府のやっていることにNOと言わず黙認し続けていることは、沖縄に基地を押しつけ続けていることも、日本が戦争をしようとすることにも、私たち自身が加担していることに他ならない。日本は支配下にあるのではなく、日本は支配する側にいつでもいるし、沖縄の構造的差別は、日本の沖縄への植民地主義のあらわれではないか。

 この日の座り込みには、『高校「無償化」で朝鮮学校・無認可校・中卒者・中退者を差別するのをやめよう!』と書いたプラカードを持ち、座りこんだひともいた。
ここ数年の在特会をはじめとした排外主義集団によるヘイトスピーチ、メディアによる隣国を敵対視し煽る報道、明確な人種差別表現、が増えて来ているが、これらは、ある特定の人種差別意識をもつひと、人種差別主義者による特異な出来事ではなく、言及しているひとがいるように、今の日本社会の排他性を映し出したものだとおもう。日本政府が率先して、朝鮮学校の無償化からの除外、それに続く行政の朝鮮学校への補助金打ち切りをし、民族教育の権利を奪い、積極的に排外主義政策をおこっなている。そのもとで起こっていることだ。
朝鮮民主主義共和国の衛生打ち上げは、ミサイル発射と攻撃的で敵対視する報道をし、多くのひとが容易に受け入れ口にする。そして、それは中国が、「北朝鮮」が、攻めてくるという脅威論を後押しし、地理的に米軍と基地が沖縄に必要というぼんやりした主張がかたちづくられる。

排外主義を、歴史修正を強め、中国・「北朝鮮」脅威論を信じオスプレイの沖縄配備・沖縄に米軍基地を押し続けることも、自衛隊が災害時に助けてくれると信じ海外派兵、戦争に備えた軍拡を進めることも、わたしたちが目をつむり続けることでつながっていく。
わたしたちが引き受けるべきことは、米軍基地の拡大を受け入れることではなく、アメリカの支配下にあって何も言えないと誰かのせいにするのではなく、日本政府に抗議すること、つまり、わたしがかかわっている問題として責任を引き受けること、だとおもう。

 20日のno!helipad’s座りこみは、高江にヘリパッドをつくるな、沖縄に基地と軍隊はいらないというところから、反差別、反戦をあらためて考える、そんな場になっていた。 (そ)

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